・琵琶湖水質保全対策行動計画に基づいて草津市の対象面積60haに対して実施されたもので、全国に先駆けた規模の施設(H15供用開始)である。
・市街地の初期雨水を貯留沈殿池(7200m3=初期雨水6mm+雨水幹線滞留水)に導水し、その上澄み水を接触酸化施設や植生を利用した各施設に通水し浄化する施設(計画除去率:COD:70%、T-N:70%、T-P:80%)であり、冬期における植生浄化の能力低下に備えて土壌による浄化施設も備えている。
・一連の浄化処理に伴って発生する汚泥は流域下水道管にポンプで送るシステムとなっている。なお、施設の維持管理についてはボランティア活動(伯母川ビオ・パーク運営協議会)により支援されている特徴も有する。



市街地排水の流入


市街地排水の流入口
市街地からの排水がこの門を通って、降雨時に流入する市街地排水を貯留池に、一定量(7200m3/回)を超えるとここから草津川へ排水される。



自動除塵機
流入口から流入した排水はスクリーンに通した後、貯留池へ流入される。そのときにスクリーンにかかるゴミや塵などをくみ上げる機械。



貯留池施設


揚水ポンプ制御盤
貯留池の状況を把握するための装置。ここでの沈殿は自然沈殿。沈殿された汚濁物質は湖南中部浄化センターへ排水される。



接触酸化施設


接触材に付着している微生物によって汚濁物質を吸着し、酸素を供給することで水中の微生物が汚濁物質を酸化分解させるための装置。 (通水量(400~600m3/槽/日)、接触材(プラスチック製波板並行板))



植生浄化施設


水耕栽培型
水深約5cmの浅池に水がゆっくりと流れることで植物が栄養分(T-N,T-p)などを吸収する。 (通水量(200~320m3/池/日)、植物(クレソン、カラーなど))



ろ材・植生型
植物が育つ基盤として土の代わりにろ材を用いる。ろ材の周りには微生物が付着し、水中の微生物が有機物を分解・除去する。植物が栄養分を吸収・除去する。 (形状寸法(w:1m, L:25m, H:0.6m×16水路)、通水量(75~120m3/水路/日)、植物(ケナフ、カラー)ろ材(天然ゼオライト))



土壌浄化施設


赤玉土を利用
赤玉土は保水性・保肥性に優れているために植物の栽培に用いられる。この赤玉土を敷くことで排水中の窒素・リンを除去する効果をもたらす。主に植生浄化施設での浄化能力低下が懸念される冬季に通水される。



市街地排水浄化以外の効果


レクレーション効果
植栽・ベンチ・広場などを設けることで、地域住民の散歩や休憩のできる場所として利用されている。


参考ページ

琵琶湖水質保全対策行動計画(夢こうどう 第1号 1999
滋賀県琵琶湖環境部 湖南中部流域下水道事務所 事業概要



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